ポツダマープラッツは、ソニーセンターを始め、近代的なベルリンの街である。博物館島のあるアレクサンダープラッツ周辺とは大きく違う。ポツダマープラッツは第二次世界大戦前のベルリンの中心地の一つであったが、ベルリン市街戦で激戦地となり街は廃墟となってしまっていた。1961年に築かれた壁により、ベルリンは東西冷戦の戦略的拠点ではあるものの、大規模な開発がなされない経済的な空白地となっていた。ソ連の軍隊がすぐそばに駐留している飛び地地帯に資本を入れたがる有力者はさすが
にいなかったのだ。そんなベルリンに大きな転機が訪れたのは、1989年の東西ドイツ再統一及びベルリンの壁崩壊である。ベルリン再統一後の大規模な開発でとてもスタイリッシュでモダンな街並みへと変貌を遂げた。
壁崩壊後、再開発の地として最初に選ばれたのは、ベルリン中央区に位置するポツダマープラッツであった。現在ベルリン市内で、訪れる観光客数が最も多い場所の一つであるこの広場、そしてその周辺には、ベルリン国際映画祭の会場があり、数々の巨大ショッピングセンターが現れ、1989年当時の景観と比べると劇的に変化している。
当時再開発に着手したのは、ダイムラー・ベンツ、ソニー、ドイツ鉄道などの大手企業だ。再開発の背景には、大きな要因があった。
その要因として、ベルリンの壁がポツダマープラッツを分断する形で建設され、その東側は無人地帯として広大な更地となっていたため、壁崩壊後の開発が進めやすかったことが挙げられる。またポツダマープラッツは、壁が建設される以前から、市電、地下鉄、地上鉄道などの交差点であり、交通の便が非常に優れていた場所であった。まさにベルリン中心部から目と鼻の先という、非常に魅力的な立地である。ベルリンの壁崩壊以降、潤沢に存在していた旧東ベルリンの開発土地であるが、2014年にオープンした巨大ショッピングセンター「Mall of Berlin」が、パズルの最後のピースとなった感がある。そして現在は旧西ベルリンで、大規模な再開発が進んでいる。ベルリンの壁があった場所のすぐ西側には、壁崩壊前から数々の素晴らしい文化施設が立ち並んでおり、西側の文化的レベルの高さのアピールとなっていた。クラシック音楽の殿堂、ベルリン・フィルハーモニーや、ベルリンの〝MOMA〟的な存在である新・ナショナルギャラリー、ベルリン州立図書館などが代表的である。
~先進国の知られざる「成長都市」ベルリン及びフランクフルト、ハンブルクの最新事情と不動産投資のポイント
・2017年12月10日(日)13:00 – 14:30
・ウィンドゲート本社内 セミナー会場