『ドイツ語から学ぶベルリン不動産』第1回は、日本人とドイツ語の相性について考えてみたい。「ドイツ語は文法も語彙もちんぷんかんぷん…」そう思っている人が多いかもしれないが、意外にも日本人との親和性は高い。長い歴史の中でドイツと日本のかかわりは深く、日本人からも学びやすい言葉だと言えるだろう。
①意外とある「日本語になったドイツ語」
ドイツ語から借用され日本語になった言葉は多く、知らずのうちに使っていることがあるだろう。「医療の道を志す人たちはドイツ語を勉強する」という通例もあるが、医学系用語の多くはドイツ語からの借用が非常に多い。「カルテ(Karte: “カード”の意)」「ガーゼ(Gaze)」「ギプス(Gips)」などはその代表例である。登山系の用語もドイツ語から来ているものが多く、「ヒュッテ(Hütte: 山小屋)」「リュックサック(Rucksack)」などは日本語として広く使われている。このほかにも「アルバイト(Arbeit: “労働”の意)」「グミ(Gummi)」などが挙げられ、周りのあらゆるところにドイツ語が使われていることを実感していただけるだろう。
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②ドイツ語の「発音」は簡単?
外国語はとにかく発音が難しい…そう思っている方も、ドイツ語なら簡単に挑戦できるかもしれない。英語の様な巻き舌はあまりなく、日本人が得意な「口をはっきりと動かすローマ字読み」を活かせる場合が多い。
例)Tee(お茶):「テー」
Haus(家):「ハウス」
Kaffee(コーヒー):「カフェ―」
その一方で、ドイツ語には「ウムラウト(Umlaut)」と「エスツェット(ß)」という特殊文字があることも覚えておきたい。
ウムラウトは、既存のアルファベットの上部につく2つの点のことで、「ä」「ü」「ö」が存在する。これらは点のないときの「ア」「ウ」「オ」とは少し発音が異なるので要注意だ。これに加え「ß」を加えた4つは、キーボードをドイツ語入力にした場合入力できるが、既存のアルファベットで代用する事もできる。
「ä」=ae / 「ü」=ue / 「ö」=oe / 「ß」=ss
また、ドイツのキーボード配列は以下のようになっている。
③英語とドイツ語は似ている?
ドイツ語は英語に比べ、力強い発音と独特な文章の波がある。しかしながら、ひとつひとつの単語に注目してみると英語とかなり似ている部分も多く存在する。言語学的にドイツと英語は同じ「インド・ヨーロッパ語族ゲルマン語派」というカテゴリーに属しており、片方の言語スキルや背景知識がもう片方の語学習得に役立つ、といったケースもあるようだ。「英語がドイツ語に似ている」部分も勿論あるが、ドイツ語を学習していると「ドイツ語が英語に似ている」場面を多く目にする。ドイツ語と英語の類似性、相違点などについて取り上げた動画なども数多くあるので、参考にしてみてはいかがだろうか。