ドイツでは不動産の売買契約において、契約書の公正証書化が法律で義務化されている。
契約時には必ず司法書士兼公証人(Notar)が立会い、売主・買主に契約書を理解させたうえで取引を成立させる。
売主は住宅に関する情報として、エネルギーパスの提示が義務化されている。
中古住宅売買取引の流れは上記の表のようになる。
日本人の買主はドイツで住宅を購入する際、弊社のサイトを見た上で、セミナーや個別相談を通じて物件の紹介を受ける。
その後、物件視察等をしたうえで、気に入った場合は、弊社を介して購入意思を決定するための申込を行う。
売主は中古住宅売買時に買主に求められると、建物のエネルギー性能を数値で示したエネルギーパス
(証明書energiausweis)を提示する必要がある。
売買の合意成立後、司法書士兼公証人(Notar)に依頼し、司法書士兼公証人(Notar)が物件調査を行う。
契約は、契約書を司法書士兼公証人(Notar)が公正証書として作成(ドイツ2002年改E民法311条b第1項)する。
その後、ウィンドゲートにより契約書の翻訳(たいていはサマリー版)を作成し、買主が内容の理解できるようにサポートする。
その後、司法書士兼公証人(Notar)の立会いで契約を行う(公正証書法17条2項)。
買主が認証委任状を用いて、買主の契約行為を委任することも可能である。
契約書作成は買主責任で行う必要がある(民法448条)ことより、買主が司法書士兼公証人(Notar)を選定し、
契約書作成費用は買主が負担する。ドイツでは仮契約書作成の制度や慣習、契約時に手付金を支払う慣習はない。
尚、ドイツでは日本における重要事項説明作成および確認の制度はない。
但し買主が証書作成内容を、事前に十分に検討しクールダウンして売買できるように、契約書作成の
2週間前に内容を届けなけらばならない(証書作成法17条2項13)
契約成立後、買主がウィンドゲートへの仲介手数料を支払うことになる。
契約締結後、代金決算・引渡しと仮登記、登記を行う(エスクロー口座を用いる場合と、直接代金をやり取りする場合がある)
正式な登記が行われるまで、買主の権利保護のために仮登記を行う。
登記は契約書(公正証書)に基づき、当事者が登記所に出頭するのが原則であるが、通常は司法書士兼公証人(Notar)が代理で行うことが多い。
ドイツでの登記は日本と違い公信力がある。
売買契約により所有権が移転するのではなく、売買契約により所有権を移転させる義務が発生し、
所有権は登記の時点で移転する(民法873条と925条)。
登記は、一般的には土地登記所(地方裁判所管轄)で行う。抵当権設定に関する土地債務も公正証書とする。