日本のキャンパスライフにおいて、多くの学生が「大学生協(全国大学生活協同組合連合会)」を利用したことがあるかと思います。食堂、購買をはじめ、書籍・PC販売、アパート仲介etc…様々な場面で学生生活をサポートしてくれ、なくてはならない存在になっていますね。
さて、ドイツ・ベルリンでのキャンパスライフ、日本でいう生協のような組織はあるのでしょうか…?
ドイツ版大学生協?”studierendenWERK BERLIN”とは
studierendenWERK BERLINは、すばり「ドイツ版大学生協」といったところ。ベルリンだけでなく、ドイツ内における他の都市にも存在します。この組織は、第一次世界大戦後学生たちの経済的困窮を支援するために生まれました。前身である”Studentenwerk BERLIN”という名前でご存知の方も多いかと思います。2016年に法律が改正され、現在の名前になったとか。
studierendenWERK BERLINは、日本の生協のようにあらゆるシーンで学生生活をサポートしてくれます!
①学生食堂 / Mensa
②奨学金関連 / BAföG & Finanzierung
③学生寮・アパート / Studentenwohnheim
④学生相談・カウンセリング / Beratung
⑤イベント・文化事業 / Kultur
⑥保育園・児童クラブ / Kitas
⑦アルバイト仲介・職業訓練 / Jobs & Trainings
その他、留学生の支援などもサポートしてくれ、学生にとってプラットフォームのような位置づけになっています。 学生寮のひとつ:Halbauer Weg (studierendenWERK BERLIN 公式HPより)
キャンパスライフの2大神器「学生証」と「Mensa(学生食堂)カード」
ベルリンの大学生活において必要不可欠なのが学生証(Studentenausweis)とMensaカード(Mensakarte)、この2点です。ベルリンにある大学の学生証は紙切れ一枚の証明書を追って専用のケースに入れ、カードのように使うものや、学生食堂の支払いの際に使うMensaカードと機能を集約した1枚のデジタルカードになっているものなど様々です。ちなみに、ベルリンの学生証はベルリン交通局(BVG)の定期券も兼ねており、ベルリンABC区間(ベルリン市内+ポツダム市)を移動するすべての電車・バス・トラム・船に乗ることができます。
例)ベルリン自由大学の学生証 : 学生証とMensaカードが一体になったタイプ (ベルリン自由大学公式HPより加筆修正)
Mensaカード:大学のチャージ機でお金をチャージして使う (フンボルト大学ベルリン公式HPより)
MensaカードはstudierendenWERK BERLINのサービスを利用するうえで広く使える1枚となっており、図書館の電子ロッカーの鍵として使えたり(※1)、studierendenWERK BERLINの提供する学生寮の鍵、共用洗濯機の支払い(※2)に利用できたりします。
※1: ドイツの図書館は本の無断持ち出しや盗難を防ぐため、基本的に鞄の持込みは禁止されている。図書館に入る際はゲート近くに用意されたロッカーに荷物を預け、図書館で使用するパソコンや本、筆記用具などはすべて透明な袋に入れて館内へ持ちこむルールとなっている。ロッカーの鍵は、Mensaカード以外にも4ケタの暗証番号でロックされるものや、持参の錠でロックするものがある。
※2: ドイツでは各個人で洗濯機を持たず、建物の共用部分(主に地下室(Keller)が多い)に洗濯機を設置している場合が多く、入れ替わりの激しい学生寮はほとんどこれに当てはまる。約€2/回で利用でき、洗剤は各自で用意するシステム。寮の住人以外による利用を防ぐためか、直接硬貨で支払うタイプはほとんどなく、寮内専用の洗濯機カードや洗濯用コインにて稼働する仕組みになっている。洗濯機カードは洗濯用コインは寮の自治グループの運営メンバー(数人)が管理している場合が多い。彼らが寮にある公共スペースのバーや食堂をオープンする日(1~2回 / 週)に洗濯機カードのチャージ、コインの購入ができる。
次回予告…『住宅難ベルリンの救世主!studierendenWERK BERLINの破格な学生寮』
空室率2%と圧倒的な住宅難に陥るベルリン、この状況は学生にとっても非常に深刻な問題…そんな中、多くの日本人学生も利用しているstudierendenWERK BERLINの寮に迫ります!家賃は?部屋の設備は?寮仲間たちの雰囲気は?…気になる質問を根掘り葉掘りしますよ、お楽しみに!