(1)築100年の魅力
ドイツ・ベルリンには築100年~150年といった古い建物が数多く残っており、その多くは歴史的建造物として指定されている。中古不動産市場が発達しているドイツでは、それら歴史的建造物も不動産マーケットで活発に取引されている。しかも、新築価格にひけをとらない水準で売買価格が形成されているのだ。
(2)ベルリン中古不動産の建築水準
何故、ドイツでは中古不動産の価格が新築をもしのぐ人気なのか?
それは中古物件の建築水準にある。特に石造り・レンガ造りで建てられた「アルトバウ」に代表される第二次世界大戦以前の建物は壁厚1m以上、有効天井高3m以上あるような立派な造りの建物が多数存在している。
さらに外観に意匠が施され細部までこだわった建物が多く所有する喜びを感じられる。現在の時価でいうと建築工事単価は数倍~数十倍はかかるであろうと言われている。ドイツの最新の建築技術をもってしても同じ水準の建物を建てるとデベロッパーは予算超過で大赤字になってしまう水準なのだ。
(3)中古物件のカテゴリー
現在、ベルリン不動産市場で扱われている物件は、基本的に「新築」「中古」と分けることができるが、中古物件についてはさらに3種類のカテゴリーが存在している。
新築物件と3種類の中古物件について
①新築物件(鉄筋コンクリート)
★現地テナントの要望に応える、大きな窓・高い天井・バリアフリー等が多い。
★EneV (省エネルギー基準) に従った工法で、高性能の断熱材を使用することが義務付けられている。
★MaBV (仲介業者および開発業者に関する法律と規制) に従った支払方法
②中古物件
【Altbau mit Modenisierung:モダニゼーション物件(石・レンガ造りの壁)】
★定期的に少しずつ改装されている(オーナー組合の積立金を使い、定期的に電気や屋根、配管などのリフォームが行われている物件)
★モダニゼーション=外観、内装、窓などのリフォーム
【Kernsanierung:完全リフォーム物件(石・レンガ造りの壁)】
★骨組、壁、地下を除くすべての部分をリフォーム
★電気、屋根、配管、床、窓、ドア、外観、浴室等は全て新調されている
【Dachausbau:新築ペントハウス】
★中古物件の上に、新築のペントハウスを造った建物(保証付)
★堅牢性、断熱性・・・歴史ある物件の驚くべき特徴
減価償却については、中古物件のカテゴリーに該当し、日本の居住者であれば、償却期間の短縮メリットを受けられる。
(減価償却による節税は効果的ですが、今後、税制の変更によって、償却年数の考え方や土地・建物比率などの捉え方が変わる可能性があります。必ず税理士等のアドバイスに従い、自己責任での売買をお願いします。)